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コラム

短時間正社員の社会保険と雇用保険はどうなりますか?2012.01.17

従業員のワーク・ライフ・バランス支援のため、労働時間と賃金等が4分の3になる”クォーター社員”、半分になる”ハーフ社員”の導入を検討しています。
そこで、労働時間が短いため社会保険に加入できないのではないかという疑問が出てきました。短時間正社員でも社会保険の適用基準はパートタイマーと同じなのでしょうか?
当社の正社員の所定労働時間は1日7.5時間、週5日で、週37.5時間です。

短時間正社員も社会保険が適用されます

短時間正社員は、一般のパートタイマーとは異なり、時間当たりの賃金等が正社員と同等なら、所定労働時間の長さにかかわらず社会保険が適用されます。ただし、週所定20時間未満の者は雇用保険に加入できません。

1.短時間正社員の処遇

一般的に短時間正社員といわれるのは、契約期間の定めがなく、時間当たりで見て賃金等の処遇が正社員と同等の者です。パートとは違い、時短に応じて減額されるものの、諸手当や賞与が支給され福利厚生も利用できるのが従業員にとっての魅力でしょう。この処遇や福利厚生には、各種保険の加入も含まれ、健康保険や厚生年金、雇用保険に加入できるかできないかは重要な要素ですので、正しい理解が欠かせません。

2.社会保険の取扱い

常用雇用で所定労働時間が短い者については、社会保険の適用基準があります。いわゆる4分の3ルールです。

「1日または1週間の所定労働時間と、1ヵ月の所定労働日数が通常の者のおおむね4分の3以上の場合は被保険者になる」という、所定労働時間を基準とした取扱いです。このことから、正社員でも4分の3未満の短時間勤務・短日勤務になると、社会保険に加入できないのではないかと心配されます。しかし、厚生労働省は、短時間正社員について、労働時間とは別の基準を示しています。具体的には、以下の3点を満たす場合、社会保険に加入することになります。

@労働契約、就業規則、給与規程等に、短時間正社員に係る規定がある
A期間の定めのない労働契約が締結されている
B給与規程等における時間当たりの基本給・賞与・退職金等の算定方法等が同一事業所に雇用されるフルタイム正社員と同等で、かつ就労実態も諸規程に則している

労働契約や就業規則等の整備は当然として、労働時間に応じて賃金等が4分の3、2分の1になるというルールが上記Bの条件に合致していれば、クォーター社員、ハーフ社員とも社会保険は適用されます。

3.雇用保険の取扱い

雇用保険は、雇用保険法第6条第2号により、週所定労働時間が20時間未満の者は適用除外となります。この点は、短時間正社員でもパートの取扱いと変わりません。

クォーター社員は労働時間が正社員の4分の3とのことですから、週所定28時間余となって問題ありませんが、ハーフ社員は週20時間に達しませんので、雇用保険には加入できません。仮に退職した場合は、失業給付が受けられませんし、雇用保険の被保険者が対象の育児休業給付、介護休業給付も受給できないことになります。

制度導入時は、このあたりを十分に説明したうえ、ハーフ社員の退職金や育休時の賃金補償等を加算するといった均衡策も検討する必要があると考えられます。


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