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「監督若しくは管理の地位にある者」は、労働時間について裁量があるといわれています。こうした管理職には、始業・終業時刻を定めることはできないのでしょうか?
労基法89条の適用除外とされていないこと、部下の監督を十分に遂行する必要があることから、就業規則上、労基法41条2号に該当する管理職にも始業・終業時刻の定めを置くべきです。
「監督若しくは管理の地位にある者」は、労基法第41条第2号により、労働時間、休憩、休日に関する規定が適用除外となります。例えば、1週40時間、1日8時間という法定労働時間の制限はなく、それを超える労働につき、三六協定の締結・届出、割増賃金の支払いは求められていません。
また、「監督若しくは管理の地位にある者」は、行政通達において、出社退社等につき厳格な制限を受けない者であるとされ、労働時間に関して一定の裁量を有していることが求められています。
こうした点から、労基法第41条第2号に該当する管理職には、一般の従業員とは異なり、始業・終業時刻の定めをすることができないのではないか、というのが質問の趣旨と思われます。
しかし、労基法第89条によれば、同法第41条第2号に該当する管理職についても、就業規則の作成届出義務は適用除外とはされていません。同法第89条第1号は、始業・終業時刻等に関する事項を就業規則に記載して届け出なければならないと定めているため、管理職に適用される終業規則にも始業・終業時刻を定めておく必要があります。こうした定めをしておかないと同法第89条違反になるおそれがあります。
また、実質的にも、部下を監督する者は、自分の部下が出勤している限り、自身も出社してその勤務を監督する必要があります。「監督若しくは管理の地位にある者」がこうした監督業務を担うことからすれば、出社退社につき厳格な制限を受けないとはいっても、自分で自由に出社退社の時刻を決められることまでを意味するわけではありません。
以上から、労基法第41条に該当する管理職についても、就業規則上、始業・終業時刻の定めを行うべきであると考えられます。そして、こうした管理職は自主的に労働時間管理を行うので、就業規則の規定上も始業・終業時刻の管理を自主的に行う旨、定めておくことが必要となります。
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