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休日出勤の代休がある者に対して、年休申請に代休を優先させることはできませんか?
代休とは、就業規則上の休日に労働に従事した労働者に対して割増賃金等を払うほか、代償として他の労働日を休日とすることをいいます。この場合、実際に休日に労働を行ったことに変わりはないわけですから、これが、労働基準法上の休日(法定休日)に該当する場合には、労基法上の休日労働の要件を満たすことが必要です。代休日自体は、法定休日には該当しませんので、付与日やその時期、付与日数について制限はありません。
つまり、そもそも代休を付与するか否かについて労基法上の義務はなく、また、法定休日のように週1回、4週4回という要件(労基法第35条)にも縛られることはありません。なお、代休付与を就業規則で定めた場合には、代休付与は就業規則上の義務となり、付与の仕方も就業規則によります。
一方、労働者の年次有給休暇の権利は、6ヵ月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤したという客観的な要件(労基法第39条)を満たせば当然に発生する権利です。労働者が具体的に年休の請求をする行為は、すでに発生した年次有給休暇の権利につき、具体的な時季を特定するためのものです。
よって、年次有給休暇は原則として労働者が請求する時季に与えなければならず、事業の正常な運営を妨げると客観的にみてやむを得ない場合に限り、使用者に年休を他の日に変える権利(時季変更権)が認められています。
以上より、代休をとることができる日に年次有給休暇の請求があった場合、代休がとれるから年次有給休暇ではなく代休を優先させたい、という理由だけでは、「事業の正常な運営を妨げられると客観的に認められる場合」には該当せず、年次有給休暇を拒否し会社が一方的に代休にすることはできません。
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