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人事制度構築コンサルティング

社員のモチベーション向上には「成果」と「小さな組織」が大事

社員のモチベーションを上げるにはどうしたらいいか。

これは、どの企業でも抱えている課題です。

「賃金を上げる」
「福利厚生を充実させる」
「教育研修に力を入れる」など

企業では、さまざまな取り組みが行われています。いずれも、モチベーションを上げる方法として重要です。ただ、モチベーションには、個人毎のモチベーションと、組織内の個人全員が持つモチベーション (組織単位のモチベーション)があります。

上記の方法は、あくまで個人毎のモチベーションを高めるのに有効ですが、組織単位でモチベーションを上げるには、これだけでは不十分です。

組織単位でモチベーションを上げることと、チームワークを高めることは互いに関連します。組織単位でモチベーションを上げれば、高いチームワークを発揮でき、逆にチームワークを高めれば、組織単位でモチベーションを上げることができます。

では、組織単位でモチベーションを上げるにはどうしたらいいのか。

ヒントは、学園祭の屋台にあります。

学園祭にいくと、学生サークルがいろいろな屋台を出しています。同じようなたこ焼きを売っている店なのに、全員が活き活きとしている屋台もあれば、あまりやる気が感じられない屋台もあります。

組織単位でモチベーションが高い屋台の特徴は、「売れている」ということです。どの屋台でも、最初は全員が高いモチベーションでスタートします。しかし、売れないと次第にモチベーションが低下し、屋台に活気が無くなり、さらに売れなくなるという悪循環に陥ります。逆にどんどん売れると楽しくなり、モチベーションが上がって店に活気が生まれ、さらに売れるという良い循環になります。

つまり、組織単位のモチベーションを上げる条件の一つは、「成果を上げる」ということです。成果が上がらない組織に所属するメンバーのモチベーションは、長続きしません。そういった意味では、「成果を上げる」のは、組織単位のモチベーションを維持する前提条件と言えます。

そして、「成果を上げる」のは、経営者や管理者の立てる戦略次第で大きく左右されます。社員のモチベーション向上というと、賃金、福利厚生、教育研修などといった、社員個人に向けた対応策ばかりが注目されるのですが、実は「成果を上げる戦略」を経営者や管理者が立案できるかどうかが大きく影響しているのです。

さらに、もう1つ大きな条件があります。

それは、「自分の働きぶりが組織の成果に大きな影響を及ぼす」という意識を全員が持てる状況になっているということです。

複数の大学の学生が集まる大規模なインカレサークルの屋台では、何名かの学生が熱心に働いていて店自体は繁盛している一方で、最低限の自分の役割は果たしているけど積極的には関わっていない学生もいたりします。これでは、たとえ成果を上げていても、組織単位でモチベーションが高い状態とは言えず、一人当たりの生産性も低くなります。文化祭の屋台ならそれでもいいかもしれませんが、企業の場合は問題です(とはいえ、このような状態になっている企業も多いのですが)。

モチベーションは、「自分の働きぶりが組織の成果に大きな影響を及ぼす」と感じられるかどうかに左右されます。前述のインカレサークルの屋台は、一部の人しかそれを実感していないために、モチベーションの低い学生も出てきてしまうのです。

「自分の働きぶりが組織の成果に大きな影響を及ぼす」という意識を全員が持てない一番の原因は、組織が大きすぎるためです。

もし大人数のサークルで運営するなら、お酒やお菓子などたこ焼き以外の商品を扱うチームや、遠くまで売り歩くチームを編成するなど、組織を小さく分ける必要があります。(ちなみに、私が学生時代に所属していたテニス部では、毎年学園祭の時におでん屋「テニーズ」を出店しており、このやり方によって、全員が高いモチベーションで運営することに成功していました。)

つまり、組織単位のモチベーションを高く維持するためには、「自分の働きぶりが組織の成果に大きな影響を及ぼす」という意識を全員が持てる程度の小さな組織にすることが重要です。さらに、各組織にはどのような成果が求められているかを明確にしておく必要があります。これは、経営者がやるべき重要な
役割の1つです。
以上をまとめると、社員のモチベーションを向上させるためには、個々の社員に対する働きかけをする前に、経営者自身がまず次の2つを行う必要があるということになります。
1.成果を上げられる戦略を立案する
2.会社内の組織を、求める成果が明確な小さな組織に分ける
戦略立案や組織編成などは、すでに当たり前に行っていることだと思われるかもしれません。しかし、「成果を上げられる」戦略や「求める成果が明確な小さな」組織になっていない企業も多いのです。
社員のモチベーションが低いとお悩みの経営者の方は、まずこの2点を確認してみるとよいと思います。

社会保険労務士事務所トリプルウィン

代表 樋野 昌法
((当社メルマガ2011年7月16日号コラム「士業のココロ」より転載))


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