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人事制度構築コンサルティング

社会保険に加入した方がお得な理由2012.05.18

一定の条件を満たす企業の場合、社会保険(健康保険・厚生年金保険)や労働保険(労災保険・雇用保険)といった公的保険に強制的に加入する義務があります。

加入するかしないかを、社長が判断することはできません。

しかし、現実的には、強制加入の義務がありながら、未加入の企業が存在します。

未加入の一番の理由は、保険料の会社負担の大きさです。労働保険料はそれほど大きくないですが、社会保険料はそれなりに大きな金額になります。

たとえば、20万円の賃金を払う場合、会社が負担する諸々の保険料は、25,000円弱位になります。社員が10人いれば25万円くらいの負担増になるわけです。

社員側にとっても、20万円から社会保険料の個人負担分を差し引かれると手取り金額が減ってしまうため、それを嫌がって保険に入らなくてもいいと考える方もいらっしゃいます。

会社側と社員側の双方で保険料負担を避けたいという思いが一致し、社会保険に未加入の状態が継続します。

これだけ先の見えない厳しい経営環境が続くなかで、保険料を負担したくないという社長の気持ちは良く分かります。会社がつぶれてしまっては、元も子もありません。

しかし、公的保険の加入には、経営面でそれなりのメリットがあります。今日は、企業が健康保険・厚生年金保険に加入するメリットのうち、私が特に大きいと考えているものをご紹介します。


1.健康保険・厚生年金保険に共通する加入メリット

加入メリットというより、良い人材を確保するための最低条件といってもいいかもしれません。応募者が就職先を決める際に、社会保険に加入しているかどうかは賃金と同じくらい重要な要件です。

社長が「良い人材が確保できない」「離職率が高い」などでお悩みの場合、社会保険未加入が原因となっている可能性があります。


2.健康保険加入のメリット

何といっても傷病手当金と出産手当金があることです。傷病手当金は病気や怪我で働くことができない間(最大1年半)、出産手当金は産前産後で働くことができない間について、だいたい賃金の3分の2が支給されるものです。

社員の方はもちろん、社長も病気や怪我で入院する可能性はあります。そのとき、会社からの賃金は0になったとしても、傷病手当金で3分の2がカバーできるのは非常に大きいと思います。


3.厚生年金保険加入のメリット

65歳以降にもらえる年金については、特筆すべきメリットはあまりないです。
少なくとも、納めた保険料の合計金額を大きく上回るような年金額をもらえるような時代は、もう終わりました。

ただし、配偶者が専業主婦の場合は、現制度では優遇のメリットがあります。

配偶者の保険料が免除される第3号被保険者という制度によって、保険料は納めなくても将来の年金はもらえるというものです。これは大きなメリットだといえるでしょう。

現行制度で、仮に夫が厚生年金保険加入、妻が第3号被保険者のケースで、納める保険料と将来の老齢年金を試算すると、以下のようになります(年金額は様々な条件によって個別で異なりますので、あくまで概算の例として捉えて下さい)。


ア)厚生年金未加入の場合(国民年金のみ加入の場合)

毎月支払う保険料  ・・・1名14,980円×2名分=約3万円(平成24年度)

40年間で支払う保険料・・・約1440万円

将来もらえる年金額 ・・・1名約80万円(満額)×2名分=160万円

様々な条件を除外した非常に粗い計算ですが、9年で元が取れることになります。

イ)厚生年金加入の場合

毎月支払う保険料
(月給20万円の場合)・・・31,183円(平成24年度)
                  ※企業と社員で折半
40年間で支払う保険料・・・約1500万円

将来もらえる年金額 ・・・夫130万円+妻80万円=210万円(概算)

これも様々な条件を除外した非常に粗い計算ですが、8年で元が取れることになります。


以上3点のメリットを紹介させて頂きました。

もし、御社がまだ社会保険に加入していない場合、上記メリットや今後の発展のためにも、是非加入を検討された方がいいと思います。

「そうはいっても、やはり保険料負担が大きいなあ・・・」という場合、賃金水準の見直しで対応することが考えられます。たとえば、現在社会保険未加入で30万円支払っているなら、社会保険の会社負担分を含めて30万円以内に抑えるように、賃金を見直すのです。

社会保険加入のメリットをきちんと説明すれば、社員の方にも必ず理解してもらえるはずです。

賃金水準見直しの具体的な方法については、お気軽にご相談頂ければ幸いです。
御社が次の新たなステージに上がるのをサポートさせて頂きます。

社会保険労務士事務所トリプルウィン

代表 樋野 昌法


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